設計事務所って?

ここでは、設計事務所に対する一般的な疑問をQ&A形式で書いてみました。
そして、設計事務所の存在意義を明らかにしたいとの思いも書いております。

Q 01.設計事務所ではどんな仕事をしているのですか?

設計事務所の仕事は、建物の設計工事監理をすることです。
見積のチェックや施工業者の選定の助言も行います。
もう一つ、役所等に提出する書類の作成や打合せも行います。
しかし、工事は致しません。(施工業者ではありませんので。)

Q 02.設計事務所の行う建物の設計とは?

設計事務所以外がする建物の設計と、設計事務所が行うそれとの大きな違いは、
設計事務所では計画立案の際に自由な創造が可能なところです。
クライアントだけのオリジナルな建物が建つわけです。
法律、技術、予算以外に制約を受けるものがありません。
住宅メーカーと違って、工法・外観にも制約がありません。
したがって、お隣や、近隣と同じものは建ちません。
ここに、設計事務所の存在意義があります。

Q 03.設計はどう進めるのですか?

クライアントと打ち合わせを繰り返し、その希望をできるだけ実現できるよう検討します。
また、より良い建物になるよう提案もさせて頂きます。
最終的には法律、技術、予算などを総合的に検討して設計図面を完成させます。

住まいづくりのプロセスも見てみて下さい。
全体のおおよそ流れがおわかりなると思います。

Q 04.設計事務所の行う建物の工事監理とは?

工事監理という文字から、誤解を受けやすいのですが、
工事監理とは、クライアントの代わりに設計者サイドから、
施工業者の工事の状態を監理(指示・指導をして取り締まる事)している事です。
施工管理は、施工業者サイドから、
工事の状態を管理(業務や組織を取り仕切る事)している事です。
現場にいる「監督さん」は工事監理をしているのではなく、施工管理(これも大切な事です)をしています。
お間違えの無いように。
以上でおわかりのように、工事が始まっても設計事務所は仕事をしているのです。

工事監理では、クライアントの利益を守る為にきちんとした工事が行われているかをチェックします。
設計図書に現された内容が工事に反映されているかを確認しているのです。
この工事監理は、設計と施工が分離されているからこそできる事なのです。
設計施工が分離しない、住宅メーカーや設計も行うと謳っている工務店では、できない事なのです。
ここにも、設計事務所の存在意義があります。
またその為に、技術的な打ち合わせを施工業者と行ってもいます。

Q 05.見積のチェックや施工業者の選定の助言はどのように行なわれるのですか?

建築の見積は、設計図面をもとに行われます。
提出される見積内訳書は、専門家でないと細かい内容まではチェックできないと思ってください。
そこに提示されている価格が適正な価格であるのか。
それを、チェックすることだけでも、工事金額は相当変わってくるものです。
この作業は、設計と施工が分離されているからこそできる事なのです。
設計施工が分離しない、住宅メーカーや設計も行うと謳っている工務店では、できない事なのです。
ここにも、設計事務所の存在意義があります。

そして、その後、クライアントに対して、施工業者の選定の助言を行います。

Q 06.設計事務所なら、みんな、以上のような仕事をしているのですか?

残念ながら、「設計事務所」と名前が付いているところ
すべてが、Q 01からQ 05までの仕事をしているわけではないのです。

例えば、以下のようなところです。
「代願屋」と呼ばれている、役所等の書類作成を主に行っている事務所や、
他の設計事務所のお手伝い専門の事務所が、存在するのも事実です。
また、住宅が得意で無い事務所(その代わり違う分野で活躍されています)も、やはりたくさん存在します。
そして、工務店内や不動産業者内に存在する「1級・2級建築士事務所」もあります。
設計施工と謳っている所です。いわゆる兼業設計事務所です。

設計事務所の存在意義が充分発揮できる、「他者とのしがらみから独立した専業設計事務所」であるかどうかをきちんと確認してから選んで下さい。

Q 07.設計事務所が設計をした後、工事は誰がするのでしょうか?

いわゆる工事をする施工業者にお願いしますが、基本的にクライアントに決定していただきます。

もし、お知り合いの建設会社があればそこにお願いしても良いことです。
また、何社か候補があればそれぞれに見積りをしていただいて決めることもできます。
まったく建設会社のあてがない場合は設計事務所が、
その時の条件に適正と思われる建設会社を数社選び、
同じように見積もりをしていただきます。

いずれにしても、設計事務所がきちんと見積内訳書をチェックし、比較検討を行い業者選定のアドバイスを致します。
そして、最終的には金額的に妥当でかつ信頼できる業者に工事をお願いすることになります。

Q 08.住宅メーカーや建設会社にも設計者がいるのになぜわざわざ設計事務所に頼む必要があるのですか?

「他者とのしがらみから独立した専業設計事務所の設計者」と
「住宅メーカーや建設会社の設計者もしくは建設会社連れてきた設計事務所」との違いを
検証してみましょう。

前者は、クライアントと直接の設計契約を交わし、ダイレクトに設計報酬をいただいて、
クライアントの代わりに施工業者を指示する立場にあります。

後者は、クライアントと工事請負契約をした施工業者の社員もしくは、下請け会社です。
施工業者から給料や業務報酬を受けている立場にあります。
工事を行っているのは、同僚とか、もしかして上司だったりします。
お得意さんだったりもします。

いままでのQ&Aを読まれた方は、もうおわかりではないでしょうか。
歴然とした立場の違いがあることを。
そして、専業設計事務所に頼む必要があることを。

Q 09.設計事務所の設計監理料は、住宅メーカーや建設会社の提示する設計料に比べると高くないですか?

まず、Q 08で書いた歴然とした立場の違いがあることを再確認して下さい。
また、設計料の支払い方法に違いがあり、後者にはさらに、あいまいさがあるということも。
金額や工事費に対する割合だけををみれば確かに高いかもしれません。
しかし、ひとことに設計と言ってもその内容にかなりの差があるのです。
金額の差は多くはその内容の差にからきています。

役所に提出する最低限の図面を数枚描いても設計です。(建売住宅はこの典型)
間取りと外観の打ち合わせをして図面を描いても設計です。
その上で、各室の仕上げ材料の検討、造り付け家具の検討、照明スイッチひとつまで検討し、クライアントとじっくり打ち合わせをして図面を描いても設計です。
(ちなみに私達の所では、木造住宅の場合、A3サイズで100枚前後です。)

すでにある何パターンかの間取りをアレンジしても設計です。(住宅メーカーはこの典型)
最近はCADが発達して、見た目には、アレンジした物かオリジナルのものか、わかりにくくなってきています。
その敷地とクライアントのためにゼロから考え、試行錯誤を繰り返しオリジナルを創りあげるのも設計です。

極端な話、設計料なしのサービスもあります。
しかし、無報酬(実際は給料等で支払われているのです)で、一体どんな設計ができるのでしょうか?
設計料は金額だけではなく、その内容をも考慮の上で、判断するべきものでしょう。
大きな費用をかける必要のある建物の価値は、設計により大きく左右されるのです。
後でこうしておけば良かったとか、こんなはずではなかったということがないように、
内容のあるきちんとした設計をしてくれるところを捜しましょう。

Q 10.設計事務所に頼むと設計監理料の分が割高になってしまうんじゃないですか?

限られた予算のなかで、より良い空間を創り出すことが設計事務所の仕事です。
そして、クライアントのためにオリジナルなものを創り出すことに
設計事務所の存在意義があるのです。
他者からのしがらみの無い設計者は、設計に充分な時間をかけることが可能です。
設計の専門家が充分な時間をかけて設計し、監理した建物は、
完成度や満足度からすれば決して割高にはなっていないと思います。

設計監理料を削って、完成度が低く、不満足な建物ができたときは、もう取り返しがつかないのです。

私達は、設計事務所によらない住宅の完成後に、相談を受けることもあります。
その相談にたいして、色々ご説明をしておりますと、実際に改装しようにも、相当な費用がかかって、もう取り返しがつかないことが判明することが多々あります。
「建築家や設計事務所に頼めば良かった。」とか、
「これだけの費用があれば、充分設計料が払えたのに。」とか、
こういういう人達を、私達はたくさん見てきました。

Q 11.設計事務所に頼むと高くなる?

というのは、イメージに過ぎません。
Q 10で書きましたように、限られた予算のなかで、より良い空間を創り出すことが設計事務所の仕事です。
高額な建物や住宅を設計しているのが、設計事務所ではありません。
しかし、同じ予算でも、面積を優先して、どこにでもある建物を建てるのでしたら、
設計事務所に頼むメリットがあるのでしょうか。

空間の満足度を重視すると、ご希望を合理化したり、面積を絞り込まざるを得ない場合もでてきます。
当然といえば当然ですが、勝手にするわけではありません。
納得していただけるよう、ご説明しながらです。
設計におけるインフォームド・コンセントとでも、申しましょうか。
そして、クライアントの思いがつぎ込まれた物とそうでない物とは明らかに違うことがおわかりになると思います。

ご希望を全て完全に満たそうとされると、やはり予算がかかってしまいます。
住宅メーカーでは、制限があるので、予算以前にできないことがあります。
設計事務所では、ご希望を満たすことは可能です。予算さえあればですが。
それが、設計事務所に頼むと高くなるというイメージができてしまう原因なのでしょう。

私達は、できるだけ合理的かつシンプルな建物にして、空間の満足度が高いものを創りたいと思っています。
そのためには、クライアントの熱意とある時には潔さも必要となってきますでしょう。

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