CONCEPTION
京都近郊に建つ「コンクリート打放し外断熱の家」
敷地は、古くからの住宅地にあり、既存の木造の建て替えです。
この敷地特有の負の条件としては、新幹線と幹線道路から近いことと、
東側の用水路が氾濫して、床上浸水がたびたび起こっているということです。
南側には児童公園があり、太陽光は期待できますが、少しプライバシーの問題があります。
クライアントからの全体のご希望としては、上記の負の条件をクリアする事の他に
鉄筋コンクリート打放しの採用がありました。
また、打放しにマッチする坪庭的なものの設置もご希望でした。
花の栽培がご趣味なので、そのスペースとして屋上利用も考慮してほしいとの事でした。
私達は以下のような解決案で、対応しました。
○ 浸水対策として、1階の床の高さを地上1mに設定。
○ コンクリート打放しは、外気温に対して非常に厳しい
ので、外壁に外断熱を施し、内部に打放し面を見せ
るようにした。コンクリート打放しを生かした外部も一
部残した。
○ 坪庭的なものとして、ライトコート(光庭)を中央南
側に配した。隣接する児童公園からの緩衝空間とし
ても機能。
○ 暗くなりがちな階段をライトコートに面して設けた。
○ 1階の床高が高い分、屋上テラスを設置する余裕が
なくなったので、代わりにリビングに接して大型のル
ーフテラスを設けた。
○ 鉄筋コンクリートの構造に薄肉ラーメン構造を採用し
て、下記の項目が実現できた。
- ◇ 開放する所と閉鎖する所のメリハリをつけること
ができた。 - ◇ 梁型がでないので、すっきりした内部空間が可能
になった。 - ◇ 1階の床高が高い分、階高を低くする必要があり
通常は天井の高さが低くなるが、高い天井も可能
になった。